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マイナンバー社会保障・税番号制度

海老原玲子税理士

東京RS税理士法人
 海老原会計事務所

〒133-0052
東京都江戸川区東小岩6-21-3
TEL:03-5612-1821

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相続・アラカルト

生前準備

生前準備とは

相続は血族の問題ですので、分割の協議がうまくいかないと、後々まで禍根を残しかねません。
そのため、円満に相続を終えるには、以下のような準備が大切です。

○法定相続人の確認
自分の死後、誰が財産を受け継ぐのかを明確にするため、相続人になる予定の人を把握しておきましょう。

○財産リストの作成
財産には不動産、現金、預貯金、有価証券、貴金属など有形無形、さまざまなものがあります。またローンなどのマイナスの財産も含まれます。それぞれをリストアップするだけでも、残された相続人にとって遺産が明確になります。

○遺産分割方法の検討
自分が誰に何を相続させたいか、検討しましょう。後々、正式に遺言書を作成する際に役立ちます。

○相続税対策
相続には相続税がかかります。相続税は税の中でも税率が高いので、専門家の指導を受け、残された相続人に有利になるような対策をしておくことが大切です。

○遺言書の作成
相続人同士のトラブルを避けるために遺言書を作成しましょう。遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。

生前贈与

相続が開始する前、つまり存命中に財産の分与を行うことを生前贈与といいます。
贈与税と相続税の違いにより、有利になる資産と不利になる試算があります。

○相続時精算課税
相続時精算課税とは、贈与時の税負担を抑え、相続税を納付するときに贈与税を精算する制度です。
相続時精算課税を選んだ贈与者ごとに、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計金額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して贈与税がかかります。
2,500万円を超える部分は、一律に税率20%で贈与税が課税されます。
支払った贈与税は相続税の前払いの性格を持ち、将来相続が発生した時に、「相続時精算課税制度」により贈与をした財産は相続財産に含まれ、相続税が課税されます。
相続時精算課税制度による贈与税を支払っている場合には、その贈与税額を相続税額から差し引くことになります。
ただし、相続時精算課税制度はいつでも申告できるわけではなく、通常の贈与税の申告期限までに選択する必要があります。また、一度選択してしまうと従来の暦年課税制度には戻せません。

○相続時精算課税制度の適用が有利となる財産
・不動産収入などの収益物件
財産の贈与だけではなく、不動産所得を贈与者から受贈者へ引き継げます。(相続税の納税準備金とする)
・事業用財産(棚卸資産や事業用固定資産など)
財産の贈与だけではなく、事業所得を贈与者から受贈者へ引き継げます。(相続税の納税準備金とする)
・被相続人に配偶者と血のつながりがない子がいる場合
実子の2分の1。
・将来時価の上昇が見込まれる財産(土地や株など)
相続時に加算される金額が贈与時の時価となるため、相続時まで贈与者がその財産を保持しているよりも低い価額で計算することが出来るため有利です。

○相続時精算課税制度の適用が不利となる財産
・小規模宅地等の特例を適用できる土地
相続時精算課税制度を適用することで、小規模宅地等の特例を適用できなくなるため、相続税の納税額が増加してしまい、かなり不利になります。
・物納を予定している財産
相続時精算課税制度を適用することで、物納できなくなります。
・将来時価の下落が見込まれる財産(土地や株など)
相続時に加算される金額が贈与時の時価となるため、相続時まで贈与者がその財産を保持しているよりも高い価額で計算することになるため、不利です。

○住宅取得資金
住宅取得資金などの贈与の特例は、贈与税の年間基礎控除額である110万円を5年分 先取り可能です。 そのため、住宅取得資金などの贈与を受けた年、および翌年以降の4年間は、別の贈与を受けると、たとえ110万円以下であっても贈与税が課税されるケースがあります。
また、平成15年1月1日以降にこの特例の適用を受けた場合、同じ贈与者からの以後4年間の贈与について相続時精算課税制度の選択はできません。
逆に、既に相続時精算課税制度を選択している場合、同じ贈与者からの住宅取得資金等の贈与についてこの特例の適用を受けることができません。

○夫婦間贈与
夫婦間贈与には、特別に大型の非課税枠があります。例えば居住用不動産の資金として現金2110万円を配偶者に贈与する場合、通常835万もの贈与税がかかりますが、夫婦間贈与の特例の適用があれば贈与税は一切かからなくなります。
配偶者との間で、自分の住む不動産や、その購入資金の贈与があったときは、贈与税について最高2000万円までの配偶者控除が認められます。
加えて年間110万円までの基礎控除も認められますので、実際は2110万円まで控除が受けられることになります。
夫婦間贈与の特例に該当するには以下の要件が必要です。

・20年以上の夫婦であること
・自宅やその購入資金の贈与であること
・贈与を受けた配偶者は、贈与された不動産を自分の住居として利用し、
居住する見込みであること

・贈与を受けた年の翌年の2月1日~3月15日までに贈与税の申告をすること
(贈与税がゼロとなる場合でも必要)

成年後見

成年後見は精神上の障害などで判断能力が十分でない方が不利益を被らないように、援助してくれる後見人を指定する制度です。
成年後見制度は精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ、自己決定権の尊重、残存能力の活用、家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を目指すというノーマライゼーションの理念をその主旨としています。
そのため、成年後見人が選任されても買物など日常生活に必要な範囲の行為は本人が自由にすることができます。

成年後見制度を利用するには家庭裁判所に申し立てをします。
申し立てには以下のものが必要になりますが、事案によって多少異なります。

・申立書申立書附票、(家庭裁判所に定型の書式があります)
・申立人の戸籍謄本1通(本人以外が申し立てをする場合)
・本人の戸籍謄本、住民票、登記事項証明書、診断書
・成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、
登記事項証明書各1通(候補者がいる場合)

・切手(3,000~5,000円)
・登記費用(登記印紙4,000円)
・鑑定費用(申し立て前に本人の状況を医師などに再鑑定を依頼するため)

○任意後見制度
成年後見の一種に「任意後見制度」があります。高齢になって自分の意思能力が衰える前に公正証書契約で家族などに下記の様な代理取引を頼む制度です。
後見開始後は監督人の監督の下、下記項目などの代理が可能です。

・銀行、組合との入出金取引
・実印や証書の保管代理
・株式、投信、国債などの取引代理
・貸金庫取引の代理
・保険契約の締結、解除
・生活費、租税、医療介護費の支払い
・賃貸不動産の契約や賃貸管理

事業承継

事業を承継することになった時に、それまで何も手を打ってこなかった、後継者が育っていない等々、多くの会社で問題が見られます。
後継者がいない場合は、会社自体を売却やM&Aなどをして、事業と雇用を継続させてゆくことが可能ですし、会社を廃業することも選択肢の一つです。
また、株式を公開して資本と経営を分離し、経営を他に委託することも考えられます。
この事業と経営を、誰に、いつ、どのように承継させていくか考えておくことは非常に大事です。事業承継とは、「経営権の承継」と「財産権の承継」です。

○経営権の承継
経営権の承継とは、自分の意思で経営をできる権限を承継することで、つまりは「代表取締役社長」の交代です。現経営者は会長職や相談役に就くにしても大株主であるのが通常ですから、後継者を株主総会において取締役に選任することは容易です。後継者が決まっておれば、「経営権の承継」は問題なく行うことができます。

○財産権の承継
財産権の承継とは、会社の所有権=株式を承継することです。
後継者が経営権を承継しても、株式を所有していなければ、解任される可能性があります。
株式が承継されると、財産の所有者が移動するため、新たに課税が発生します。
現経営者が所有する株式を、いつ、どのような方法で後継者に移転させるかによって、課される税目が変わります。
生前に株式の承継を行う場合、有償で売買すると現経営者に譲渡税がかかり、無償で贈与すると後継者に贈与税がかります。
優良会社の場合は、株価も株式の評価額も高いので、その株式の承継コスト=相続税も高くなります。
株価は相続発生時点で評価しますので、株価を引下げるための打つ手は限られます。
相続財産が土地や上場株式であれば換金できますが、非上場株は買手が見つかりません。
資産を相続税評価額の方法で評価し、財産分けの対象にすると、多額の納税資金が必要となるので、相続人間の遺産分割や、事業承継の上で問題になります。
事業承継は生前に準備しておきましょう。

○中小企業経営承継円滑化法
日本では中小企業経営者の高齢化が進んでいるため、今後事業承継の件数も増加します。
中小企業が相続税などの問題で事業の承継がうまくいかないと、事業を廃業せざるをえなくなります。
そこで、中小企業の事業承継をスムーズに進めるために、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」、略して「中小企業経営承継円滑化法」といわれる法律が制定されました。
家庭裁判所の認可などがあれば、自社株をすべて後継者が相続できるようにすることが主旨です。相続に伴って、株式が他へ分散するのを未然に防ぎ、後継者への円滑な事業承継を行うものです。
以下は「中小企業経営承継円滑化法」によるメリットです。

・非上場株式にかかる相続税について、税額の80%分の納税が猶予されます。
・生前贈与された株式について遺留分減殺請求の対象から除外されます。
・政府系金融機関を通じ、資金調達が支援されます。
適用条件は以下の通りです。
・経済産業大臣の認定を受ける
・5年間、雇用の8割を維持する
・相続した対象株式を継続保有
・5年間チェックを受ける

事業の承継に関しては、資産が個人よりも高く、周囲への影響も大きいため、弁護士や税理士などの専門家としっかり相談をして計画をたてておきましょう。