お問い合わせはこちら

マイナンバー社会保障・税番号制度

海老原玲子税理士

東京RS税理士法人
 海老原会計事務所

〒133-0052
東京都江戸川区東小岩6-21-3
TEL:03-5612-1821

お問い合わせはこちら

相続・アラカルト

相続について

相続とは

相続とは、人の死亡時に所有していた遺産を、特定の人に承継させることです。
亡くなられた方を「被相続人」、権利義務を承継する人を「相続人」といいます。相続には下記の3種類の方法があります。

○単純承認
被相続人の財産を無制限に引き継ぐ、最も一般的な相続の仕方です。特別な手続を行う必要がないため、相続開始後3ヶ月以内に他の手続をとらなかった場合には、自動的に単純承認をしたものと見なされます。ただし、遺産より借金が多い場合は、相続人の財産から返済をしなければいけません。

○限定承認
プラスの財産の範囲の中でマイナスの財産を引き継ぐ方法です。遺産を清算して借金だけしか残らないような場合には不足分を支払う必要はありません。また、仮に借金を支払っても余りが出た場合にはその余った財産を受け継ぐことができます。
限定承認は相続放棄者を除く他の相続人全員がそろって行います。もし相続人が一人でも単純承認をする場合は、限定承認はできません。
相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ限定承認申述書を提出して手続きを行います。限定承認では、相続財産管理人の選任、財産目録の作成、公告手続、債権者への返済など複雑な手続を行います。

○相続放棄
被相続人の財産の全てを放棄し、一切の財産を相続しない方法です。遺産より借金の方が明らかに多い場合にはこの方法が最適です。相続を放棄するには、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄申請書を提出します。申述書が家庭裁判所で正式に受理されると相続放棄が認められます。
相続放棄の効力が発生すると、相続人は最初から相続人ではなかったとみなされます。そのため、相続放棄者の子や孫には代襲相続は行われず、残った相続人で遺産を分割することになります。

相続の資格

民法で定められている相続人のことを法定相続人といいます。法定相続人になる資格があるのは配偶者と血族の一部です。
配偶者以外の相続人の順位は以下の通りです。

① 配偶者以外の第1位順位は直系尊属の子どもになります。嫁いだ娘は当然、実子であれば先妻の子も後妻の子も相続人になります。養子や養子にいった実子も認知されている非嫡出子も、夫が亡くなったとき妻が妊娠していた場合の胎児も、相続人となります。

② 相続人に子どもがいない場合、被相続人の父母に相続権が発生します。配偶者がいない時は、全財産を人数で均等割りにします。配偶者がいる場合は、全財産の3分の2が配偶者の法定相続分となり、残りの3分の1を均等に相続します。

③ 被相続人の子どもおよび父母がいないときには、被相続人の兄弟姉妹に相続権があります。配偶者がいないときは、全財産を人数で均等割りにします。配偶者がいる場合には、全財産の4分の3が配偶者の法定相続分です。残りの4分の1を、兄弟姉妹が均等に相続します。

相続人の不存在

相続人の存在が不明で、相続人となるべき人がいない状態を「相続人の不存在」といいます。不存在の疑いがある場合、相続人が現れるまでその相続財産を管理し、相続人の不存在が明らかとなれば相続財産を清算し、最終的な帰属を決めることになります。
相続人のあることが明らかでなく、相続人の不存在の疑いがあるときは、相続財産は相続財産法人という法人になります。
相続財産法人は、相続人の存在が不明である時に、特別の手続きがなくても成立します。相続財産法人が成立したときは、家庭裁判所は、原則として法人の代表者となる相続財産管理人を選任します。
管理人選任の申立権者は、利害関係人又は検察官です。利害関係人とは、相続債権者、特定受遺者、相続債務者のほか、被相続人に対して何らかの請求権を持つ者が該当すると考えられています。特別縁故者として、相続財産の分与を請求しようとする者も該当します。
相続人のあることが明らかになったときは、相続財産法人は遡及的に消滅します。相続人と称するものが現れただけでは不十分で、そのものが相続人であることを立証し、その身分関係が法律上確定することが必要です。

法定相続分

相続分とは遺産に対する各相続人の取り分の割合のことです。
相続人が一人である場合は相続分の問題は起きません。
相続分は、遺言による指定がある場合はその指定通りとなります。遺言による指定がない場合には民法の定める一定割合によります。
遺言による指定割合を指定相続分、民法による法定割合を法定相続分といいます。日本では遺言がまだ一般化していないため、普通は法定相続分を基に遺産の分割が行われます。

○法定相続分
・配偶者と子が法定相続人の場合
配偶者は2分の1。子は残り2分の1を人数分で均等。
・子が養子である場合
養子は実子と同じ扱いになります。
・被相続人に配偶者と血のつながりがない子がいる場合
実子の2分の1。
・配偶者と父母が法定相続人であった場合
配偶者が3分の2。父母は残り3分の1を人数分で均等。
・配偶者と兄弟姉妹が法定相続人であった場合
配偶者が4分の3。兄弟姉妹は残り4分の1を人数分で均等。 
・配偶者がいない場合
(子のみ、あるいは父母のみ、または兄弟姉妹が法定相続人であった場合)
それぞれの場合において法定相続人の人数分で均等に割ることになります。

相続手続

相続に必要となる手続きをまとめました。
起算日は相続の開始日、つまり被相続人の死亡日です。

○3ヶ月以内に行うこと
・死亡届
医師による死亡診断書とともに7日以内に提出。
・遺言書
有無の確認。公正証書以外の遺言は、裁判所の検認が必要になるため、家事審判申立書を提出する。
・相続人の確認
被相続人と相続人の戸籍謄本を用意する。
・遺産の確認
相続の方法を決めるため、遺産と債務の内容を確認しておく。
・相続の方法の決定
相続放棄、限定承認の場合、3ヶ月以内に申立書を提出。何もしないと単純承認となる。
○4ヶ月以内に行うこと
・遺産の評価と鑑定
遺産の分割に向け、判断の難しい遺産を税理士など専門家に評価してもらう。
・被相続人の所得税申告
準確定申告書を提出。
・遺産の分割協議
相続人で協議し、遺産分割協議書を作成する。
・遺産の分配
不動産や預貯金の名義などを変更する。
○10ヶ月以内に行うこと
・相続税の申告
相続税を確定し、申告、納付をする。

相続放棄

相続発生を知ってから3ヶ月の間に家庭裁判所へ相続放棄の申立をしないと、財産も債務もすべて相続することになります。
財産よりも債務のほうが多い場合、相続すること自体を放棄することが可能です。相続人が複数いる場合は、一部の人が放棄することもできます。
相続放棄は債務を相続したくない時だけでなく、誰か一人に相続させたい時や、感情的に相続できない・したくない時などにも便利です。
相続放棄の熟慮期間は原則として、相続の開始を知ってから3ヶ月です。
しかし、3ヶ月の熟慮期間では遺産の評価が難しい場合など、家庭裁判所に申請すれば相続放棄までの期間を延長することも可能です。

特殊な相続

○特別受益
被相続人から遺言を受けたり、生前贈与を受けた人がいると、遺産を法定相続分通りに分割すると不公平になります。そのため遺産にその額を加え、遺贈や生前贈与などを受けた相続人がその分を相続したものとして、遺産分割します。該当する遺贈や生前贈与を特別受益といいます。

○寄与分
被相続人の介護など特別の貢献をした人がいる場合は、その分を寄与分として法定相続分に上乗せします。ただし、単に介護をしたというのではなく、被相続人の事業に労務または財務の提供をした場合や、被相続人の療養看護をした場合で、それらの行為が特別の寄与であり、かつ被相続人の財産の維持又は増加された場合に寄与分として認められます。

○欠格事由
法定相続人は遺産を相続する順位が法で定まっています。しかし、相続で優位になるために罪を犯したり、遺言書を偽造したりするのは、欠格事由に該当し、相続権を失います。
以下のような場合が欠格事由に当たります。

・故意に被相続人、先順位の相続人を殺害した者、または殺害しようとし刑に処せられた者
・被相続人が殺害されたのを知っていながら告発、告訴しなかった者(ただし判断能力が無い者や、殺害者が配偶者または直系尊属の場合は除く)
・詐欺や脅迫により被相続人の遺言を妨害した者
・遺言書を偽造、破棄、隠匿した者
○相続廃除
欠格事由には該当しなくても、相続させるにふさわしくない相続人がいる場合もあります。そこで被相続人の申請により、相続人の相続権を失効させることができます。これを相続廃除といいます。相続廃除は遺言でもできます。この場合は被相続人に代わって、遺言執行者が家庭裁判所へ申請を出すことになります。
以下のような場合が相続廃除に当たります。

・被相続人に対して虐待を加えたり、重大な侮辱をした場合
・相続人が著しい非行を犯した時

相続対策

相続は主に血縁者間での出来事ですから、もめると後々まで禍根を残してしまうことがあります。財産分与において争いを避けるために効果的なのは「遺言書」と「生前贈与」です。

○遺言書
法律上の要件を満たした遺言書は、何よりも優先されます。
相続が発生するまでは内容を相続人に知られません。場合によっては内容を書き換えることもできます。なにより被相続人ご本人の意思を伝えることができます。

○生前贈与
相続が発生する前に財産を分配すれば、トラブルを未然に防止できます。以前は、贈与をすると受贈者に高率の贈与税が課税されたため、あまり一般的ではありませんでした。
しかし、平成15年から導入された「相続時精算課税制度」を利用することで生前贈与がしやすくなりました。
相続時精算課税制度では、当該財産の評価額に対する課税は贈与時点での評価額が基になります。もし将来値上がりが予想される資産があるようでしたら、後々の節税対策にもつながります。